兵庫県宝塚市は3日、老朽化に伴う市立病院の建て替えに役立てて欲しいと、市内在住の高齢夫妻から250億円の寄付を受けたと発表した。
寄付したのは元会社役員の岡本光一さん(77)と妻の明美さん(75)。
岡本さん夫妻は1995年の阪神・淡路大震災でボランティアを初めて経験。仮設住宅を補修したり日曜大工のボランティアグループをつくったりした。その後、財団法人を設立し、2002年から市内で福祉施設を運営してきた。
そうした中、財団を解散し、市や社会福祉協議会に業務をゆだねられないかを市に相談してきたという。そこで市立病院の建て替えが市に大きな財政負担になることを知り、寄付を決めた。
新しい市立病院は現在の敷地内で31年度の開院をめざしている。総事業費は約400億円を見込んでいる。市は3月定例市議会に基金設立の議案を提案する。
2人は新病院建設のための資金とは別に、手術用支援ロボットの購入費として約4億円を寄付した。光一さんは「病院は市民にとって非常に大切な施設。最新の設備と優秀な医師をそろえ、安心できる病院をつくってほしい」と話した。
山崎晴恵市長は「命の最後のとりでを守り切ることができて感謝の気持ちでいっぱいです」と謝辞を述べた。